TechRAMEN 2025 ビブリオバトルで『JavaScriptで数値を漢数字に変換する本』を推してきました!
TechRAMEN 2025 Conferenceのビブリオバトル企画の原稿です。
プログラミングにおいて、任意の処理を実装する方法は数多あります。それは、白が200種類あるのと同じことです。
複数の実装方法の中から、一つを選び取り、我々は日々コードを書いています。
しかし、です。胸に手を当てて考えていただきたいのですが、我々は普段、「数多の選択肢」とちゃんと向き合えているでしょうか。
忙しなさに流されて、見失っている目線があるのではないか。そう言う疑いを持ちながらコードを書いている、そんなあなたに、おすすめの本があります。
「JavaScriptで数値を漢数字に変換する本」です。
この本は、「数値を漢数字に変換する」という一見シンプルな問題を徹底的に掘り下げています。
通常なら1日もかからずに終わるはずの実装を18章・115ページかけて解剖した狂気の技術書。
この本に出会ったのは、5月にあった技術書典です。 人波を掻き分け、本を眺めていた時、視界の端を鮮やかな赤がよぎりました。(ここで本をぐっと前に出す)
表紙の女の子、かわいいですね、かわいいんですよ。かわいいものはついつい手に取りたくなっちゃいます。
デザインよし、前書きに目を通すと
「コーディングは、さまざまな可能性を追求し、諸々のトレードオフを加味し、たくさんの選択肢の中から最も適したものを選んで実現するという、創造的で楽しいもののはずである」
買っちゃいますよね、こんなん。もう買わずにはいられません。
そして、この本はほんとうに、前書きが語る通りの本でした。
この本の著者は、探究心の亡者です。「なぜ?」「もっと良い方法は?」「理論上の限界まで最適化をやってやるぞ!!」と、暴走を厭いません。
最初は、浮動小数点数の丸目誤差の話をしています。いかにも実用的な話ですね。
章が進むに連れて、怪しい雰囲気が出てきます。
「V8エンジンをビルドしてバイトコードとネイティブコードを解析するぞ!」
「論理回路を考えてみよう!!!理論上最速になるはず!!」
「正規表現で無理やり実装したらどうなる?」
もう、とまりません。
正規表現を使って数値を漢数字に変換したいあなた、この本を読みましょう。
技術書典のHPで購入できます。1000円です。そう、技術書にしては圧倒的に安すぎる。
おそらく今日紹介される本の中でも、最安値でしょう。経済的です!!
この本の著者は言葉を選ばずに言うと変態です。
そしてこれも内緒の話ですが、変態の頭の中を覗くのは、たのしいです。
とはいえ、変態だからと侮ってはいけません。
この本の探究を通じて、JavaScriptの仕様理解が深まり、パフォーマンスチューニングの考え方を学び、CPUアーキテクチャの基礎に触れることができる、そう言う構成になっています。
この本は教えてくれるのは、一見無駄に見える努力が、回り回って深い理解につながるという、学びの楽しさです。
この著者は、理性を持った変態です。「JSを使う以上無意味だ」「これは目的外使用の悪例です」「一般的なWebアプリケーションでは、この程度の実行速度差が問題になることはないであろう」「これから先は悪い見本」そんな言葉を発しながら、ズンズン実装を進めます。
一般的に、あえて遠回りに見える探求をするには、勇気がいると思います。
とはいえ米内さんも言っていた通り、「心が訴えるものを作ればいいじゃん」なんです。
この本は、読み手に、「プログラミングは本来創造的で楽しい営みである」という素朴な実感を、全編を通じて思い出させてくれます。
心の訴えに従って無限に深堀をしたい時、この本はきっと、あなたの杖になってくれます。
一見無駄に見える探求の末に見えてくる景色を、著者と一緒に眺めにいきましょう。
本を買いたくなった方へ:
以下から購入可能です。 booth.pm